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ロシア情報

 

以下の情報は、20013月に1ヶ月間ロシアを自由旅行したときに得たものです。また、2000年の7月にも自由旅行で訪問したので、そのときと比べた印象も書いてみます。値段は全てルーブルを当時のレートでドルに換算したものです。(20013月:$128.5ルーブル、20008月:$127.5ルーブル)

 

自由旅行の仕方

 

ソビエトの崩壊から10年以上経って、ロシアもやっと普通の国のように自由旅行が出来るようになってきた。鉄道の外国人運賃もすでに廃止され、航空運賃も一部の例外を除き外国人料金はすでにほとんど存在しないと思われる。ホテルの外人料金はまだかなりの確率で存在するが、これも年々減ってきており、ロシア人料金の値上げによって外人料金との格差はかなり縮まってきている。

 

自由旅行をするのに一番の障害は査証の取得だろう。ロシアのビザの取得には、公式には未だに『招待状』と、ツーリストビザなら『ホテルバウチャー』が必要だ。とはいえ、実際にはホテルの予約などしなくてもこれらの書類を発行してくれるロシアの旅行社はいくらでもあり、ロシア当局も完全にこれを黙認している。だから予めホテル代など払わなくても、1ヶ月のツーリストビザなら簡単に手に入れることが出来る。方法としては、自分でやるのが面倒臭かったり、自信のない人はロシア旅行専門の旅行会社に相談してみると良いだろう。こういう小さい旅行会社なら、ホテルの予約なしでビザを手に入れるルートを知っているはずだ。だがそれなりの手数料を取られるのは覚悟しなければならない。英語がある程度でき、自宅にインターネットやFaxの設備がある人なら、自分でやってみるのも面白いし、格安だ。まずYahooなどのアメリカサイトで、Russian visaなどと入れて検索してみると、ロシアのビザを手配できる旅行会社などがずらっと出てくるだろう。リンクを辿っていけば、『招待状』と『バウチャー』を発行してくれるロシアの旅行会社のサイトもたくさん出てくる。いろいろ見てみて、一番信用できそうなところに頼んでみると良いだろう。料金は50ドル程度で、費用はオンラインでクレジットカードで払うことになっている。旅行会社によっては、3ヶ月有効のビジネスビザを取るための招待状を発行してくれるというところもある。もちろん料金は何倍にもなるが。それと、料金は急げば急ぐほど割高になっていくシステムになっている。通常の50ドルというのは、10日から2週間程度の時間がかかる場合で、緊急だと何倍にもなるので、できるだけ早めに手配した方がいい。ちなみに、ビザは入国日と出国日が指定されるが、入国日のあとに入国したり、出国日より前に出国するのは全く構わない。どの旅行会社が一番信用できるかは一見しただけではわからないが、よくバックパッカーが使っているザンクトペテルブルグのYHなら信用できそうだ。ここは35ドルと格安で『招待状』と『バウチャー』を送ってくれるそうだ。詳しくはウェブサイトを見てみて欲しい。さて、『招待状』と『バウチャー』をどのように送ってもらうかだが、Faxを使うのが一般的なようだ。予めビザ申請をするロシア大使館または領事館を決めておき、旅行会社にはロシア領事館と自宅の2箇所に『招待状』と『バウチャー』をFaxしてもらうと良い(予めロシア領事館のFax番号を調べておくこと)。自宅に『招待状』と『バウチャー』のFaxが届いたら、ロシア領事館に電話して同じものが届いているか確認し、それから自分でパスポートや写真など持って領事館に出頭する。領事館が遠い場合は、郵送による申請も受け付けているようだ。ロシア領事館もあなたがどれくらい急いでいるかによってビザの料金を決める。その場でビザが欲しいなら5万円だし、4週間待てるというなら千円でいい。通常は1週間待ちで5000円だ。ちなみに私は『招待状』と『バウチャー』は35ドルで送ってもらい、札幌のロシア領事館に申請して4週間待って1000円で1ヶ月有効のツーリストビザをもらうことができた。

 

 日本でビザをもらわなくても、北欧、東欧などを経由してロシアに入る場合は、現地で取った方がいい。ヘルシンキ、タリン、ビルニウス、ワルシャワ、プラハなどの現地旅行代理店では、日本で取るよりも安くかつ速くロシアのビザを手配してくれる。ヨーロッパから入ってシベリア鉄道で日本に帰ろうという人には、これが一番いい。最近はモスクワとの間に安いチャーター便が多いイスタンブールからロシアに入る旅行者も多い。イスタンブールの旅行代理店では、2週間有効のツーリストビザが100ドル、数日で取れる。

 

 ツーリストビザは通常2週間から最長1ヶ月までで、現地での延長はできないと思った方がいい。だからシベリア横断などの長期旅行で、1ヶ月以上滞在する予定の人は、最初から23ヶ月のビジネスビザを取得していくべきだ。ビジネスビザとは言っても形式だけのもので、別にビジネスマンでなくとも、お金さえ払えば誰でも取得できるようだ。

 

 さて、無事にビザを取得してロシア入国を果たしても、安心するのはまだ早い。『レジストラチャ』といわれる、査証登録の手続きをしなければならない。これは、あなたを招待したロシア側の旅行社や機関が責任を持って行なうことになっており、あなたが一人でロシアのイミグレに行っても無駄だ。招待した旅行会社がいっしょにホテルを手配していれば(実際手配していなくても、バウチャーにはしかるべきホテル名が書いてある筈だ)、そのホテルでビザを提出すれば手続きしてくれるので、これが一番手っ取り早い。この『レジストラチャ』は、入国から3日以内にしなければならないので、ロシアで最初に訪問する町にある旅行会社に招待状を手配してもらう必要が出てくる。また、このような理由から、最初に入る町のホテルを数泊分予め手配していった方がトラブルもなく、無難だ。査証には訪問都市名は記載されていないので、一度査証登録をしてしまえば、基本的には立ち入り禁止区域以外、どこに旅行しても構わない。法的には、目的地に着くたびにそこのホテルで査証登録をすることになっており、実際ホテルに泊まるたびに査証にスタンプを押してくれるが、時々民宿などに泊まっても問題ないようだ。

 

 ロシアの個人自由旅行はまだまだ大変でいろいろな面で困難も多いが、これでも数年前に比べると、宿、食事、交通機関、全ての面において徐々にではあるが、かなり改善されてきている。一部の観光地を除けばまだまだ訪れる外国人も少ないが、それだけに真の冒険旅行が出来る可能性は無限大で、困難も大きいが得るものもまた大きい。日本とロシアは隣国なのだし、日本のバックパッカーの皆さんももっと積極的にロシアの自由旅行に挑戦して欲しいと思う。

  

 

ロシアへはどのようにお金を持っていくべきか?

 

自由旅行の際に、どのような形で旅行費用を携帯するかということは、大事なポイントである。現金、トラベラーズチェック(T / C)、クレジットカード、デビットカード、そして現金とT/Cの場合はドルで持っていくか、円で持っていくか。まず頭に入れて欲しいことは、ロシアが圧倒的なキャッシュ社会であるということだ。クレジットカードが使えるのは一部の高級ホテルや高級レストラン、ショップなどに限られる。たとえ店先にVISAなどのシールが貼ってあっても、実際にカードで払おうとすると、『使えないよ』とにべもなく断られることが多い。だから高級レストランに行くときは、大量のルーブルキャッシュ(ドルキャッシュはダメ!)を持参しなければならない。たとえメニューがドル表示であっても、支払いは当日の換算レートで計算されたルーブルになる。では、旅行費用はどのような形で持っていくべきかということだが、短期ならドルキャッシュが一番いい。ドルキャッシュなら数え切れないほどの外貨両替所でいつでもルーブルに両替可能だし、かなりの田舎町に行っても両替所の一つや二つはある。両替できる通貨は通常米ドルとユーロに限られるが、レートはいつも米ドルが一番いい。モスクワとぺテルブルグの両替所の一部ではその他のヨーロッパ通貨や円なども両替できるが、レートはドルに比べるとかなり落ちることが多い。(ペテルブルグではユーロのレートが比較的良い)。だが全ての旅行費用をドルキャッシュで持っていくのは、安全面で不安がある。キャッシュで持っていくのは、あくまで万一盗まれてもあきらめることの出来るくらいの量にすべきだ。そこでドルキャッシュを補助するのに重宝するのが、デビットカードである。私はモスクワやペテルブルグなどのATMで何度もシティーバンクのデビットカードを使ったが、いつも問題なくルーブルを手にすることが出来た。この2都市ならATMの数もかなり多いし、かといって普通のロシア市民は銀行カードなど持っていないので、ATMはいつもすいている。両替の手間もなくいつでもルーブルのキャッシュを手にすることのできるメリットは大きい。シェレメチボ空港にもATMはあるので、両替所に並ばなくてもさっさとルーブルを手にすることが出来る。但し、このシステムも完全とは言えず、ロシアでシティーバンクのデビットカードを使った人が自分の知らないうちに行った事もないワルシャワで勝手に貯金を下ろされてしまったという事例も報告されているから、残高は少なめにしておいた方が良さそうだ。また、通信事情からATMがうまく働かなくなることも考えられるので、これに100%頼るのもちょっと危険だ。旅行費用を携帯するもう一つの重要な方法は、昔ながらのトラベラーズチェックだが、残念ながらロシアではあまり便利ではない。トラベラーズチェックを両替できる銀行が限られているし、両替に時間がかかり、手数料も2−3%取られてしまう。銀行にAMEXやトーマスクックなどのシールが貼られていても、実際使おうとすると断られるケースも多い。モスクワやペテルブルグなどの大都市では大丈夫だが、田舎町に行くと、使える銀行が全くないというケースも考えられる。(モスクワでは1箇所、トラベラーズチェックをいいレートで替えてくれる銀行があります。詳しくはモスクワの欄に別記)。クレジットカードは、前述したように、使えればラッキーといった感じで、補助の補助といったところか。だがいざとなれば銀行やATMでキャッシングが出来るかもしれないし、国際航空券もこれで買えるから、お守りとして持っていったほうがいい。ロシアを旅行する際は、以上のような点を踏まえて、どのようにお金を携帯するか良く考えて欲しい。

 

ロシアの物価

 

去年の7月と今年の3月とでロシアの物価を比較すると、ドルはルーブルに対してたったの4%しか上がっていないのに、物価は一般的に30%くらい上がっている。航空運賃、鉄道運賃、ホテル代等も30%くらい上がった。だが数年前のルーブル暴落前に比べると、まだ安い感じだ。鉄道の外国人運賃がなくなったので、鉄道運賃はとてもリーズナブルだ。モスクワ・ザンクトペテルブルグ間(650km)の寝台列車のクーペ運賃は17ドルだが、新しい車両でとても快適だった。物価水準の割に高く感じるのが宿泊費だ。ロシアでは物見遊山の観光旅行は一般的でないし、ソビエト時代にはホテルをあまり造らなかったから、ホテルの絶対数が不足しているせいもあるだろう。外国人から割増の宿泊費を取るところも多く、そういう所では特に部屋の設備に比べて部屋代が高すぎると感じる。外食費も物価水準に比べて割高だ。モスクワでは日本並。ペテルブルグではハーフセルフサービスで食事が出来るリーズナブルなビストロが多く、4ドル程度でおなかいっぱい食べられる。(Bistro Laimaは特にお勧めだ)。田舎町に行くとレストランはほとんどないが、物価はモスクワの半分くらいになる。モスクワのメトロ代だけは去年と変わらず5ルーブルだった。

 

サンクト・ペテルブルグ

 

ネフスキー・プロスペクトを走るバス車内は要注意!

 

ネフスキー・プロスペクトでトロリーバスに乗ったときのことです。いつものように大変混雑していたのですが、気が付くといつのまにか私は数人の大男に包囲され、いっしょに乗った妻とも引き離されてしまいました。大男たちはお互いに声を掛け合っており、グルであることはすぐにわかりました。男たちは混雑を利用して身体を私に押し付けてきて、手を私のかばんやポケットに伸ばしてきます。もう万事休すかと思われましたが、妻が機転を利かせて男たちにロシア語で話し掛け、男たちがちょっとひるんだところでバスが停留所に止まって、私たちは全力で彼らを押しのけてバスから脱出することが出来ました。幸い何も取られずに済みましたが、もし1人だったらちょっと助からなかったと思います。後から考えると、男たちは我々がバス停でバスを待っている時からもう狙いをつけて、私を包囲してバスに乗り込んだようです。彼らは一見泥棒には見えないいい服装をしていて、顔つきも全然普通の人と変わりませんでした。

 

サンクト・ペテルブルグの宿

Hotel Oktyabrsky Filial (Tel: 812-277-7281)

 

モスクワ駅の正面にあり、隣には売店もあって、立地条件は非常にいい。但しオフィスビルを兼ねているので誰でも出入りでき、部屋の戸は薄くてカギも頼りなく、安全面で問題がある。我々の滞在中、ロシア人女性の宿泊客が、部屋の荷物を物色されて貴重品を盗まれたとフロントで抗議していたが、フロント係は『あなたが酔っ払って貴重品を街で落としたのでは?』と全く取り合っていなかった。部屋は各種あって、一番安いトイレ共同のシングルルームは一泊11ドル。我々はシャワー・トイレつきのツイン・ルームに泊まったが、朝食付で一泊35ドル。最も高いデラックスツインは43ドル。(支払いはルーブル現金のみ)。朝食を取るレストランは古い造りでなかなか雰囲気がある。だが部屋は特に清潔でもなく、内容から見てちょっと高い感じだが、これだけの観光都市の中心地にあるのだから仕方ないか。このホテルには外国人料金はないようで、宿泊費ははっきりとフロントにロシア語で表示されている。なお、モスクワ駅の正面にはやはりこのホテルと同じ系統のHotel Oktyabrskayaがあるが、こちらの方は部屋が改装されており、2人部屋一泊60ドルくらいするので、間違えないように。こちらのほうは外国人ビジネスマンもよく利用している。

 

モスクワ

 

モスクワの宿

Gostinitsa Zarya

ulitsa Gostinichnaya, d.4, k.9, 127106 Moskva.  Tel.(095)482-2169, 482-2345, 482-2574 Fax. 482-0692

 

清潔でバスタブ、トイレ、ソファー、テレビ、電話付のセミデラックス2人部屋が一泊22ドルと格安(支払いはルーブル現金のみ)。ホテル内には軽食を取れるカフェもあって便利。シェレメチボ空港行きのタクシーも15ドル位(400ルーブル)で手配してくれる。場所は、メトロのグレーライン、Petrovsko Razumovskaya駅から徒歩10分ほどだが、ちょっとわかりにくいので、最初は駅から白タクで行った方がいい($1.8050ルーブル)。歩くときは近道があるので、タクシーで行く時ほど遠くはない。ホテルはたくさんの建物から成っており、それぞれの一階に受付がある。外国人が泊まれることが確かなのは9番とその向かいの11番の建物で、英語の看板も出ている。査証の登録もしてくれるが、翌朝9時に9番の建物の別の入り口から入ったところにあるオフィスに自分で出頭して、スタンプをもらわなくてはならない。モスクワの中心地から行くと30分以上かかるが、これだけ安くて環境もいいホテルはなかなかないと思うので、大いに利用して欲しい。

 

トラベラーズチェックの両替

 

ロシアではトラベラーズチェックの使用は一般的に不便だ。取り扱い銀行が限られている上、両替に時間がかかることが多いし、手数料も23%取られてしまう。だが、モスクワの以下の銀行では、ドルのトラベラーズチェックを手数料たった1%でドルのキャッシュにしてくれる。ルーブルにもしてくれるが、レートはあまりよくないから、ドルのキャッシュをもらってから別の両替所でルーブルに再度両替した方がいい。

 

Vneshtorgbank, ul. B. Molchanovka 17 / 14, Moskva. 銀行の入り口はNovy Arbat通りの北側にある。メトロ Arbatskaya駅から徒歩数分。

 

『黄金の輪』

スズダル

 

牧歌的でのどかな田舎町の中に、美しい教会や歴史ある建物が点在している。まるでタイムスリップしたようだ。ソビエトの時代にもこのような町並みがずっと保存されていたなんて全く驚いてしまう。クレムリンの博物館には国宝級のイコンや工芸品、財宝の数々が所狭しと並べてあり、思わず目を奪われてしまう。この町は鉄道路線からは離れており、バスでしか行けないのでちょっと不便だが、とにかく美しい町なので、ぜひ訪れてみて欲しい。

 

スズダルのホテル

 

Hotel Rizopolozhenskaya (Tel. 09231-20553)

 

町の中心部にあって便利。スタンダードダブルルームが一泊$12.30、デラックスダブルルームが$17.55.どちらもシャワー、トイレ付。場所はRizopolozhensky monastyr(リゾポロジェンスキー修道院)内部にあるので、ちょっとわかりにくく、外に看板もない。我々が訪れたときは、湯が全く出なかった。聞けば町の給湯施設が燃料不足でストップしており、どこへ行っても湯は出ないとのこと。町は夜になると街灯も全く点いていなくて、外は真っ暗。聞けば、市当局が電力会社に電気代を払えず、街灯の電気もストップされてしまったそうだ。

 

ロストフ・ベリキ

 

『黄金の輪』の町の中で、スズダルに比べると目立たないが、ネロ湖岸に広がる牧歌的な美しい町で、17世紀のクレムリンがそっくりそのままで残されており、一見の価値はある。ここのクレムリンの博物館も財宝の山だ。ここに来たら、ぜひクレムリンの中のホテル(下記)に泊まって欲しい。

 

ロストフ・ベリキのホテル

 

Hotel Dom na Pogrebah (Tel. 08536-32144)

 

クレムリンのど真ん中にあって、歴史ある建物を宿舎に改造したホテル。我々の泊まった2人部屋は一泊14ドルで、ソファ、TV、シャワー、トイレ付でとても清潔。電気温水器があって、ホットシャワーを浴びることが出来た。部屋はクレムリンの中庭に面しており、教会の尖塔も見えてとても雰囲気がある。このようなホテルに安宿並みの値段で泊まれるのは実にうれしい。シャワー付の部屋は3つしかなく、シーズン中は満室のことが多いという。トイレ共同のもっと安い部屋もある。

 

2001629

 

 

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